既存建物は築80年、8DK。広い敷地の町に閉じた書院造の住宅で繊細で美しい木建具が使われており、

40年前に応接室、キッチンや個室を増築している。

それぞれの時代が色濃く反映されており、この家族の歴史を物語っていました。

アプローチは人を招くための巨大な門扉からと、家族が利用する勝手口の2箇所。

そこで、それぞれの時代を尊重しながら、等価に並んだ書院造の個室群は手をつけずに、勝手口からのアプローチを開放的に改築し、外部とつなぐ場所を作りました。開いた今回の改築ゾーンに背を向けている日本建築の室の境界を弱め、ガラス戸を配しキッチンゾーンと和室エリアを目線でつなぎ、それぞれの時代の室を感じられるような設計になっています。