敷地は横浜駅のほど近くに建つ40年前の軽量鉄骨プレハブ住宅の分譲地。子供が自立した夫婦の為のリノベーション。リノベーション前は35坪の1階LDK2階3室で、物入と2室を個々で使う構成で暮らす。二人の関係をその日にあった距離で再構成できる空間をめざす。2階の間仕切りを取り払うと階段を中心にぐるりと空間が現れる。階段上り口から妻口と夫口を設け、それぞれのプライベート空間に入り、徐々に共有空間である広間で出会う。この間にある階段に引き込む密度の違う建具が二人の距離を調整する。1階は回遊性により、二人や、外部との距離を調整できるようにした。階段室に繋がる玄関エリアを薄いファブリックで仕切り、リビング空間とやわらかく区切った。北側にあったキッチンを西側に置き、リビングとの回遊性をもたせ、やわらかくつなぐ。浴室洗面に繋がる、ユーティリティは、外部デッキからリビング正面のデッキまで回遊性を持たせた。回遊させることで、作業場、居場所、外部をつなぎ、暮らす中でいろいろな距離をつくろうと試みている。