先日 旅先で寄った温泉の世界観があまりに素晴らしかったので様子をUPします。場所は奥那須。車で山を登って行った先に その秘湯はあります。しかし車で行けるのは途中まで。そこから先は雪の坂道を徒歩で往きます。雪道は靴にワラ縄を巻きます。坂は所どころ傾斜が急でトレッキングシューズ程度ではどこまでも滑っていってしまいます。それが縄一本巻いただけで驚くほどグリップします。そんなことに感心しながら歩いていくと谷下に見えてくるのがここ北温泉です。一見して集落に見えますが建設時期を江戸・明治・昭和と異にした棟からなる温泉です。ここの主人に聞いたところによると、その昔 身体の弱いお姫様のために設けられた湯治場なんだとか。戸を開けて建物の中に入った途端 時間が止まったような独特の異空間。外と中が入り乱れ上へ下へと続く通路は時に座敷を通り土間を通り坑道のトンネルのようなところを通り、途中幾度も分かれる廊下の先がどうなっているのか分かりません。幾つもある湯のなかで一番奥にある天狗の湯。正直 何故?と思いたくなるような湯場に真っ赤な天狗の面。そしてその異様な大きさです。もともと温泉建築は好きだったので機会があるたび立ち寄っていましたが 今回ここが一番のお気に入りになりました。バチが当たりそうだったので写真は控えましたが建物の中に祭壇のような場所があり、戸の向こうに苔むした石段が見えます。ここも何とも言えぬいい感じ。上には神社があるそうなんですが、なんでも神々が集まるところなんだそうです。もしかしたら最初に感じた湯婆婆感はそういうこと?